モリッツ・グロスマンの創立12周年を祝し、記念日である11月11日に完璧なメカニズムを搭載する限定モデルを発表いたします。このモデルはグラスヒュッテの歴史的な時計師であるモリッツ・グロスマンと彼の名を受け継ぐマニュファクチュールを結び付けるものです。
XII Birthday Edition “on screen”
一番の特徴はシルバーフリクション コーティングを施したダイヤルです。19世紀の伝統的な技術の一つであり、才あるモリッツ・グロスマンも自身が製作した振り子時計にこの技術を用いていました。
新モデル「Ⅻバースデー エディション」はローズゴールドケースモデル6本、ステンレススチールケースモデル6本の合計12本限定モデルです。
Moritz Grossmann XII Birthday Edition in rose gold and polished steel
シルバーフリクション コーティングの歴史
時計において文字盤はもっとも重要なパーツであり、その時計の評価を大きく左右します。現代の高い技術をもってすれば、どのようなデザインの文字盤であっても製作することができるようになりました。
かつては電気が通っておらず、そのような技術はどこでも使えるものではありませんでした。しかしモリッツ・グロスマンが1860年から70年代にかけて製作したような、特徴的で洗練された文字盤製作ならば可能でした。当時の時計師たちは文字盤の表面を美しく見せるため、シルバーフリクション コーティングを用いていました。この技法は産業革命以前に広く活用されており、電気の無いグラスヒュッテでも度々取り入れられていました。
dial before silver-plating by friction
dial after silver-plating by friction
伝統的な技法
現在この洗練されたシルバーフリクション コーティングの技術を習得しているのはほんの一握りの職人のみです。この仕上げが施されたダイヤルを特別でユニークにするものは一体何でしょうか。
銀の細粒、そして塩を含む白い粉に少量の水を加え、ブラシで文字盤に擦りつけます。事前に汚れを徹底的に落とし、表面を粗めに仕上げることが不可欠です。銀メッキを施す前にダイヤルのインデックスには手彫りのエングレービングが施され、その中に黒いラッカーが充填されます。その後、銀が必要以上に厚くなることを避けるために窯で焼かれます。
表面は粗さが残るよう仕上げられており、エングレービングが施された部分にのみラッカーが行き渡るよう余分な塗料は取り除かれます。銀のパウダーはラッカーには付かないため、ロゴやインデックスなどの刻印部分はシルバーフリクション コーティングされることなくブラックラッカーが残り、輝くようなシルバーとコントラストを成します。
視認性の高いきめ細かなベルベットのような仕上げ
グラスヒュッテのマイスターは、限定モデル「XII バースデー エディション」のダイヤルをシルバーフリクション コーティングで仕上げ、その伝統的な技法を現代にもたらしました。
文字盤表面はきめ細かなベルベットのような仕上がりで、美しく光を反射し高い視認性を保ちます。シルバーフリクション コーティングをかけた文字盤を酸化やそのほかの環境の変化から守るために、ダイヤルにはさらに保護コーティングがかけられています。
クラシカルなデザイン
XIIバースデーエディションではモリッツ・グロスマンの懐中時計に見られる大きなローマ数字が採用されました。
1875年に製作された「M. GROSSMANN」のオリジナルロゴがヴィンテージ調の雰囲気を強めます。インデックスの数字とロゴ部分はエングレービングされており、そこへラッカーが流し込まれます。手仕上げされた繊細な梨型の針はブルーに焼き戻され、クラシカルな文字盤に完璧に調和します。
時計師モリッツ・グロスマン グラスヒュッテのマイスター
グラスヒュッテにあるドイツ時計学校の創設者であるモリッツ・グロスマンは、時計づくりを学ぶためのベーシックなムーブメントを学生たちに提供していました。学生たちはそれを用いて懐中時計を製作し、またそのダイヤルの多くにはシルバーフリクション コーティングが施されていました。
シルバーフリクション コーティングが施されたダイヤルを持つ振り子式時計、懐中時計そしてクロノメーターの数々は現在も素晴らしいコンディションを保っており、かつてドイツ時計学校であった現ドイツ時計博物館にて人々を魅了しています。
Carl Moritz Grossmann
Picture: Archive German Watch Museum Glashütte
former German School of Watchmaking Glashütte
Picture: Archive German Watch Museum Glashütte
today’s German Watch Museum Glashütte (former German School of Watchmaking Glashütte)
Picture: German Watch Museum Glashütte, Holm Helis
キャリバー100.1
XIIバースデーエディションにはキャリバー100.1が搭載されています。片面無反射コーティングが施されたサファイアクリスタル製ケースバックよりムーブメントの動きを見ることができます。注目すべきはモリッツ・グロスマンの中でも最も精巧な仕上げを施したムーブメントである、華やかなハイアーティスティック フィニッシュです。2/3プレートには幅広の平行なリブ模様があしらわれています。テンプに沿うようにデザインされたプレートのカットアウトからは、精密調整ネジを備えた片持ち式テンプ受けとテンワを見ることができます。盛り上がったゴールドシャトンとそれを留める平型ネジはクオリティの高さの証です。歯を一枚ずつ丁寧に仕上げた輪列の歯車が深みを与え、美しい光の反射を生み出します。
Calibre 100.1
モリッツ・グロスマンのもう一つの特徴は完全自社製のプッシャー付き手巻き機構です。この機構により、リュウズを戻す際に意図せず時刻がずれてしまうことや、時刻調整時にゴミなどの異物が入り込んでしまうという大きな2つの問題を解消することができます。
XIIバースデーエディション
XIIバースデーエディションはダークブラウン アリゲーター ストラップを合わせたローズゴールドケースモデルと、ブラック アリゲーター ストラップを合わせたステンレススチールケースモデルからお選びいただけます。それぞれ6本限定モデルです。