キャリバー107.0では、キャリバー100.1が鏡映配置され裏面が表面にレイアウトされています。ダイヤルを極力カットアウトし、この芸術作品のようなキャリバーをフェイスからたっぷりとご堪能いただけます。グロスマンのテンプ、手彫りテンプ受け、研磨された丸穴車、3段階構造のサンバースト模様角穴車、切り替えホイールブリッジ、美しく仕上げられた針機構をはっきりと目にすることができます。
鏡映されたムーブメントのレイアウトでは、香箱と輪列の回転方向を逆にすることにより正確な時刻表示が実現されています。このためにキャリバーは全く新しく開発されました。この支柱構造はダイヤル側にグラスヒュッテの時計ならではの3分の2プレート、裏側に一枚板のホイールブリッジを備えています。表と裏を反転にすることにより、このキャリバーでは手巻き機構と針設定機構を目に見える範囲にレイアウトすることに成功しました。
鏡映ムーブメントの特徴
自社の設計技術をもってキャリバー100.1を鏡映しキャリバー107.0が生まれました。ダイヤル側に巻き上げ歯車を、という要望に応え、針機構が新しくレイアウトされました。芸術的に仕上げられた針機構の歯車は研磨された美しい切り替えホイールブリッジの下に配置されています。針設定機構がムーブメントの反対側に配置されているため、針設定歯車はキャリバーを貫通し動かされます。この新しいレイアウトにより最適化された香箱受けと同様に表面に配置された角穴車のためのスペースが生まれました。
プッシャーとストップセコンドを備えた手巻き機構
このムーブメントの新しい裏面では、巻き上げ及び針設定機構がホイールブリッジに統合され、今回初めてその仕組みを眺めることが可能になりました。反転のレイアウトでもプッシャーの位置を変えることなくその機能性を実現できるように、この機構のほぼ全ての部品は鏡映しで構築されました。ストップセコンド、テンプストップでも新しいソリューションを見つけることができました。針設定ではカップリングレバーが針停止機能の位置に噛み合います。
ゴールドシャトン
ホワイトサファイヤの受け石はゴールドシャトンに納められています。これは留めに使われている一つづつ丁寧に手作業で焼き戻されたスチールネジとともに、プレートに高い品格を与えています。歴史的なグロスマン懐中時計のように、取り付け時にプレートを痛めることなく、受け石を取り出しメインテナンスを行うことができます。
技術仕様
ムーブメント
自社製キャリバー107.0、手巻き、5姿勢調整
特徴
グロスマン調節ネジを装着した緩急調整機構/ダイヤル側3分の2プレート、支柱構造及び別個に取り出し可能なクラッチ式巻き上げ機構を備えたプレート構造/ムーブメント裏面にみることができる針設定機構/表面処理をしない洋銀のフレーム基部/スモールセコンとプッシャーを備えたグロスマン巻き上げ機構/平型ネジ留め式の盛り上がったゴールドシャトン/グラスヒュッテ式コハゼ装置(改良型戻し機能付き)/ゼンマイ切れに備えエネルギー効率の最適化を実現する両側とも受け石に載せられた香箱/ARCAPギアトレイン/自社開発18歯ガンギ車を備えた脱進機/テンプ受け、丸穴車、巻き上げフリーホイール、角穴車、角穴車にゴールドシャトンを採用し改良された香箱受けのコハゼ装置/研磨されたブリッジの下にスポーク付き、面取りされた針機構歯車
機能
時、分、ストップセコンド機能搭載スモールセコンド、グロスマン製プッシャー付き巻き上げ機構。
部品数
230
石数
石数 24石(うち7個はネジ留め式ゴールドシャトンに使用)
脱進機
アンクル脱進機
脱進機
質量ネジ4本および調節ネジ2本を装着した耐震軸受式グロスマン製テンプ、ニヴァロックス1ヒゲゼンマイ(ブレゲタイプ80番、グスタフ・ゲルステンベルガー案に基づく)を下側に設置。
パワーリザーブ
完全巻き上げ状態から約42時間
ムーブメントサイズ
直径:36.4 mm、厚さ5.0 mm